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三浦九段問題の情報量の乏しさについて

今週水曜日、将棋界で大事件が起きた。

竜王戦挑戦者の三浦弘行九段が竜王戦挑戦権を返上して年内の出場停止処分を受けた。

理由は三浦九段が7月以降に対局した5人前後の棋士からソフト指しを疑われ、竜王戦開幕直前の月曜日連盟から三浦九段に聞き取り調査が入った、調査の際、三浦九段の弁明に納得がいくものではなく三浦九段も「ソフト指しを疑われた状況では将棋を指せない、休場届を出す」としたが、期日までに休場届が出されなかったため、竜王戦開幕直前ということもあり出場停止処分を受けたということである。

そのため竜王戦の挑戦者が挑戦者決定戦で三浦九段に敗れた丸山忠久九段になるという前代未聞の事態に発展し、将棋界隈は大混乱に陥った

私はこの問題について半分は疑われた三浦九段の責任、半分は連盟の責任、そしてあまりにもこの問題に対してのメディアの情報量が不足していることに混乱の原因があると考えている。

まず初めに疑われた三浦九段の責任、そもそもなぜ対局した棋士にソフト指しを疑われたというと、「終盤の緊迫した局面で手盤の際に10分以上離席する」「離席の頻度があまりにも多い」「離席の多さは竜王戦トーナメント中の7月以降になって急増」「三浦九段の指し手が将棋ソフトの示す指し手と80%以上一致している」ということらしいが、まだソフト指しが認定されたわけではないのでソフト指しについてはここであれこれ言うのは控えたい、

しかし、終盤戦に長時間離席をするなど対局した複数の棋士から疑念を抱かれたのは事実であり、トッププロとして対局姿勢に著しく配慮の欠けるものだった責任は大きいと思う、また竜王戦の挑戦権をあっさり放棄して自分が勝った丸山九段に譲ってしまったのも周囲にさらに疑いを抱いてしまった、確かに三浦九段の「疑念を抱かれたままでは将棋を指すことはできない休場届を出す」というのは一理あると思うが、それでも私はソフト指しなどけしてせず自力で指したという確信があるのならどんな手を使ってでも竜王戦の挑戦者に留まって欲しかった、その点は残念でならない、処分を受けて三浦九段は「ぬれぎすです」と一言だけコメントしたが竜王戦が開幕した今日になっても詳細な説明が伝わってこない、ファンは三浦九段自らの説明を待っている、いくら連盟が新たに事実関係を説明したところで肝心の三浦九段の説明がなければ納得いくものではないだろう、今からでも遅くはないから三浦九段自らの説明を一刻も早く求めたい。

次に連盟の責任、今回の事件を招いた根本的な原因は長年の対局環境の適当さにあったと言わざるを得ない、三浦九段問題が発覚するまで将棋界は対局者が不正をしたくなれば不正が容易に出来る環境を許していた、長時間離席して考える棋士がいるのも一種の個性としてファンのあいだに許容できる文化として存在していたが今後は厳格になるだろう、私も長時間の対局なのだから三浦九段問題発覚の直前に出来た外出禁止ルールに反対していたが反省しなければならない、やはり対局料というお金がかかっている競技は厳格に対局ルールを整えなければ不正の疑いを生む環境はなくならない、スマホ持込禁止外出禁止で新ルールが整備されたが新たに金属探知機で荷物検査も追加してもらいたい、今後はこういう検査は徹底的にやって棋士にあらぬ疑いを生む状況をなくして気持ちよく対局をしてもらいたいものである。

最後に本題に移る、今回の問題についてメディアの情報量があまりにも乏しいという件だ、一見、将棋連盟が三浦九段の出場停止を言い渡した次の日から、新聞や各種ニュースメディアでこの問題が大きく取り上げられていたように見えたかもしれない、しかし、取り上げられている内容が将棋ファンが一番知りたい情報とかけ離れているのではないだろうか?テレビのニュース番組では三浦九段がカンニングをしたのでは?という疑惑だけが一人歩きをして面白おかしく取り上げられ、コメンテーターがとんちんかんな感想を残してそれで終わり、おそらくそもそも将棋界にたいして興味がないように感じた、これから三浦九段の不正が連盟に認定されたということになればさらに報道も加熱を帯びてくるかもしれないが、別にこの問題がどうなろうがどうでもいいという印象を感じている、将棋界がお世話になっている新聞社の報道姿勢も納得のいくものではないだろう、問題が発覚した次の日は「スマホで不正か?」とほぼ断定的に書かれていた記事が並んでいたが、断定しているわりには詳細に取材を重ねたような記事ではなく連盟の記者会見をソースに載せた記事ばかり、将棋ファンは今なにが一番知りたいのか?

それは三浦九段への追求取材だと思う、日経新聞が三浦九段の担当弁護士のコメントを掲載したのを最後にどのメディアも三浦九段に取材をしていない、この問題は三浦九段側の視点が著しく欠けているのではないだろうか?さも連盟の記者会見の内容をコピーアンドペーストで貼ったような記事ばかりである、そうこうしているあいだに三浦九段が挑戦権を返上した竜王戦は開幕して、対局者を調べる金属探知機や谷川会長のお詫びが新聞に掲載されている、三浦九段が「不正はやっていません。ぬれぎぬです」と言っているのに挑戦者が変わって当たり前のように竜王戦が始まって違和感を感じる将棋ファンも多いだろう、本来その違和感を究明していくのがメディアの仕事ではないだろうか?残念だがこれまでの記事は将棋連盟の顔色を伺っているような記事ばかり、本当に棋戦の主催者側として責任を負っているのか?と疑いたくなる。とにかく三浦九段に取材をして欲しい、そうでなければこの問題はどんどん闇へ葬られていくばかりだろう。

真実を知るのは三浦九段だけであるのだから。